●FX(外国為替証拠金取引)の基礎知識
◆外国為替証拠金取引(がいこくかわせしょうこきんとりひき)とは、証拠金(保証金)を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行なう取引の事をいい、「FX」、「通貨証拠金取引」、「外国為替保証金取引」などともいいます!
◇FXはForeign eXchange=外国為替の略に由来していますが、海外ではForex(Foreign
exchange)と呼ばれることが多いようです!
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●FX(外国為替証拠金取引)の特徴
◆外国為替証拠金取引には、外貨預金・外貨建てMMFなど、他の外貨建て金融商品と比較して、以下の特徴があります!
◇多くの外貨建て商品では、通常外貨を買ってから後に売るという取引になりますが、外国為替証拠金取引では逆に外貨を売ってから一定期間後に買い戻すことも可能であります(いわゆる「売りから入る」取引)!また、日本円(JPYと略する)しか持っていなくても、「米ドル(USD)を売ってユーロ(EUR)を買う」といった取引も可能であります!
◇レバレッジを利用することによって証拠金の何倍もの外貨を取引することができます!但し、証拠金以上の損失を受けることもあります!
◇株式現物取引とは異なり差金決済のため同一通貨を何回でも取引できます!
◇為替レートが同一の時の、売り相場と買い相場(他の外貨商品でいう、電信買相場(TTB)と電信売相場(TTS))の差(スプレッド)が他の金融商品に比べて小さい!
◇金利が高い通貨の買いポジション(ロング)の場合の、金利差による受取スワップポイントも、他の金融商品より有利な場合が多いようです!(但し、受取スワップポイントによる利益を享受できるのは、買いポジションにある通貨が上昇している時だけで、下降時には受取スワップポイント以上の多大な損失を受けます)
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●「レバレッジ」とは?
◆レバレッジとは、てこ(lever)の作用から転じて、投資において手持ちの資金よりも多い金額を動かすことで、自己資本と比較して損も利益も巨額になります!
◇外国為替証拠金取引では、レバレッジを利用することにより、証拠金以上の外貨を取引することができます!
◇レバレッジは、取引業者との契約によって定まる最大レバレッジと、預け入れている証拠金と実際の取引量の比率である実効レバレッジがありますが、両者はしばしば混同されます!実効レバレッジの倍率を高くするほど為替相場の変動によるリスクは高まります!
◇最大レバレッジは、(実効レバレッジが同じであれば)高いほど後述するロスカット(LC)が起きにくくなって、取引余力が大きくなります!
◇取引業者によっては500倍もの高レバレッジも設定可能でありますが、100倍以上の実効レバレッジではロスカット(LC)されやすくリスクが高いとされます!
逆に証拠金と同額の外貨を取引する(レバレッジ1倍)という外貨預金に近い比較的低リスクな取引もできます!
◇仮に実効レバレッジが100倍で取引した場合、1%の変動(1ドル=100円から1ドル=101円)が100%の変動になり、利益なら証拠金が2倍になりますが、損失なら証拠金全額を失うようになります!
◇高い実効レバレッジであるほど、リターンが高まる分リスクが高まることを理解しなければならなりません!注文後はすぐにストップロス(逆指し値)を必ず使い、被害を最小限に留めることが大切であります!
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●ロング・ショート
◆外国為替証拠金取引では、「買い」の方の通貨をロング、「売り」の方の通貨をショート、と呼びます!常に何らかの通貨を売り、何らかの通貨を買う、という取引をします!
◇これは、日本円でバナナを買う際に、バナナを買って日本円を売っているわけでもあるのと同様であります!外国為替証拠金取引ではバナナの代わりに通貨を用いており、日本円を売って米ドルを買う、米ドルを買ってユーロを売る、というような取引をしています!
◇上記の例では順に、ドルロング円ショート(またはドル円ロング)、ユーロショートドルロング(またはユーロドルショート)という言い方になります!
◇通貨のペアはUSD/JPY、EUR/JPY、EUR/USDなどと表記が決まっていますので、「ドル円ロング」といえば円はショートされています!同様に「ユーロドルショート」と言えば、ドルはロングされています!ただし同じ取引を、円ドルショート、ドルユーロロングなどという言い方は慣例としてしません!
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●FX(外国為替証拠金取引)の主なリスク
◆FXにおきましては、以下のようなリスクが指摘されています!
【相場変動リスク】
◇相場の変動がある以上、利益が期待できる反面、損失を受ける場合があります!証拠金の何倍もの取引を行うことができるため、損失が預託した証拠金を超え、さらなる証拠金を請求されることもあります!
【流動性リスク】
◇外国為替は1日約300兆円取引されていますが、短期間に大量の注文を出した際は、希望した金額で取引が成立しないリスクがあります!
【システムリスク】
◇インターネットなどのシステムを通じて取引を行う際のリスクであります!つまり、証券会社によっては、毎朝、スワップポイントをつけるタイミングで、メンテナンスを行う証券会社があります!そして、その際、その時間帯に、損切りの逆指値も自動ロスカットの処理も行わない証券会社があります!そのため、その時間帯に巨額の損失が発生する可能性があります!場合によっては、自動ロスカットが効かなかったため、追証となることもあります!このような証券会社でデイトレード以外を行う場合は注意が必要であります!
【信用リスク】
◇業者が破綻などすれば客も損失を被るおそれがあります!例えば、客から委託された証拠金を、自社の資産とは別勘定で信託銀行に信託分別管理するといった保全管理をしていない業者の場合、破綻した際には預託していた証拠金が戻ることは期待できません!
◇業者によって証拠金の(保全)管理方法が異なりますので、約款などで確認する必要があります!また、一部分の信託保全か、または、100%信託保全かどうか、どこの銀行に信託保全しているかも確認する必要があります!
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●外国為替証拠金取引の例
◆仮に、1ドル=100円、レバレッジ20倍で取引する場合、50万円(5000ドル相当の円)を証拠金として預託すると、5000ドル×20倍=10万ドルの取引が可能となります!
◇つまり、証拠金は取引額の5%になります!1ドル=100円のときに取引開始して10万ドルを買い、その後、円安となって1ドル=105円になったと仮定します!
◇このときの収支は、1ドルあたり
105円-100円=+5円 でありますから、10万ドルでは50万円の利益であります!
◇また、証拠金は1ドル=100円のときに、5000ドルでありますから、50万円であります!
初めの証拠金の50万円が100万円となり、およそ2倍となります!
◇上記と逆に、円高となって1ドル=95円になった場合は、50万円の損失となります!つまり、初めの証拠金の50万円に対して50万円の損失を差し引くと、残りはありませんので全額を失う事となります!
※実際の取引におきましては、損失をなるべく抑えるためのしくみとして自動ロスカット(強制ロスカット)が行われております!
取引業者によりロスカットの基準は違いますが、証拠金の20〜30%(取引業者によって異なる)になると、ポジションの一部やすべてを決済してしまうルールになっております!これは、証拠金以上の損失にならないリスク管理といえるでしょう!
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